銀行員は転職すべきか残るべきか?20年勤めた元銀行員が教える「後悔しない判断基準」

「今のまま銀行に残って、未来はあるんだろうか?」 「でも、今さら異業種に転職して通用するのか?」

地銀で10年、20年とキャリアを積み上げてきた30代・40代の方ほど、この迷いの迷路から抜け出せなくなります。

結論から言います。 「銀行員は転職すべきか、残るべきか」という二択の問いそのものが、実はズレています。

なぜなら、多くの銀行員が以下の「極端な二択」に囚われてしまっているからです。

  • 転職 = 現状からの「逃げ」・リスク
  • 残留 = 我慢した先の「正解」・安定

しかし、20年銀行に身を置いた私の経験から言えば、現実はそんなに単純ではありません。 残った方がキャリアが伸びる人もいれば、外に出た方が精神的にも経済的にも豊かになる人もいます。

この差は、性格や能力の差ではなく「今、あなたが置かれている状態」で決まります。

この記事では、感情論を一度脇に置き、銀行員特有の事情を踏まえた「客観的な判断基準」を整理します。

霧の中の分岐点に立つスーツ姿の男性。銀行員の転職の迷いを象徴するイメージ。

なぜ銀行員は「転職の判断」を間違えやすいのか

銀行員は、本来「判断」のプロフェッショナルであるはずです。 数字を読み、リスクを精査し、前例を重んじる。

しかし、自分のキャリアのこととなると、その強みが逆に牙を剥きます。

  1. 情報を集めすぎる: 失敗を恐れるあまり、動く前に「完璧な保証」を探してしまう。
  2. 正解を探しすぎる: 誰かに「こっちが正解だよ」と言ってもらいたい心理が働く。
  3. 決断を先延ばしにする: リスクを最小化しようとして、結局「何もしない」という最大のリスクを取る。

結果として、何も決められないまま年齢だけを重ねてしまう。これが、銀行員が陥りやすい最も多い失敗パターンです。


「転職すべき」銀行員の特徴:環境が限界を迎えているサイン

もし、以下の項目に3つ以上当てはまるなら、あなたは能力不足ではなく「環境の寿命」に来ています。転職を前提に動き出す価値があります。

  • 業務量が増え続けているのに、給与が上がらない(と感じている)
  • 評価基準が曖昧で、結局は「上司に気に入られるか」で決まる
  • 5年後、10年後のロールモデルとなる先輩が死んだような目をしている
  • 支店や部署が変わっても、根本的な不満(組織体質)が解消されない

ここで重要なのは、「努力で改善できる余地があるか」です。 NOであれば、それは環境要因。あなたがどれだけ頑張っても、沈みゆく船の浸水は止まりません。


「残る方が得」な銀行員の特徴:焦りは禁物

一方で、今はまだ動くべきではない(残る方が戦略的に得な)人もいます。

  • 現在の評価制度に納得感があり、着実に昇進している
  • 特定のスキル(法人融資、事業承継、M&Aなど)を習得中である実感がある
  • 年収や福利厚生が、今の生活水準において極めて重要な基盤である

この場合、焦って辞めると選択肢を狭めてしまいます。特に30代前半で、まだ「銀行員としての武器」を磨ける環境にいるのなら、「辞めないという戦略」も立派な決断です。


「きつい」と感じているなら、心身が信号を出している

もし今、あなたが「銀行員 転職 きつい」という言葉で検索を繰り返しているなら、それは判断のタイミングが来ているサインです。

ただし、その「きつさ」の正体は、あなたの能力不足ではありません。銀行という特殊な環境が、今の時代の価値観とミスマッチを起こしているだけなのです。


判断を狂わせる最大の要因は「年収の壁」

地銀30代・40代の転職で、誰もが足踏みするのが「年収」です。 地銀30代なら550万円〜650万円前後(doda等データ参照)という水準は、他業界の未経験者にとっては高い壁に見えます。

  • 「年収が下がるのが怖い」
  • 「家族に申し訳ない、住宅ローンが……」

しかし、現実はこうです。

  1. 短期: 初年度は100万円ほど下がる可能性がある
  2. 中期: 異業種の伸びる業界へ行けば、3年以内に前職を上回る
  3. 長期: 銀行に居続けた場合の「昇給停止」や「出向」のリスクを回避できる

結論:「決める」より先にやるべきこと

ここまで読んで、まだ「どっちがいいか分からない」と思っていても大丈夫です。 大切なのは、結論を急がないこと。まずは「決める」ことよりも、以下の「整理」から始めてください。

  1. 自分の状態を書き出す: なぜ今、苦しいのか?(人間関係か、将来性か、ノルマか)
  2. 「行かない場所」を決める: どんな環境なら今の銀行よりマシか、ではなく「これだけは嫌だ」を明確にする
  3. 外の空気を感じる: 転職エージェントに会う必要はありません。まずは今の市場で、自分の経歴がどう見えるかを知るだけで十分です。

まとめ:二択で考えると失敗する

「転職すべきか、残るべきか」 この二択で考えると、どちらを選んでも後悔が残ります。

重要なのは、「どちらが正解か」を探すのではなく、「どちらを正解にするか」という戦略を持つことです。

迷っている今は、あなたが自分の人生を真剣に考え始めた証拠。まだ引き返せる段階です。焦らず、まずは自分の「状態」を客観的に見つめることから始めてみませんか。

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